インタビュー #創業支援

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運動で、子供からシニアまで笑顔に

ピラティスインストラクター、障がい団体 RAINBOW MILL 代表

木村 まなみさん

2022年1月

@manapink0214

ピラティスインストラクター・パーソナルトレーナー。
障がい団体の運営。

どんな内容で起業されていますか?

北九州でピラティスインストラクター、パーソナルトレーナーとして小さなお子様から高齢者まで、運動指導をしています。元々80キロあった体重からダイエットで痩せた経験があるので、痩せたい方の気持ちに寄り添った運動指導をしています。
ピンクの髪色の見た目から「ピンクさん」「ピンク先生」と呼ばれています。この見た目ですが、チャラチャラしているわけではなく、「ピンクの人」として、多くの人に知ってもらえ、自分自身が輝いていると実感できる私のシンボルカラーです。
プライベートでは子ども2人の子育て中で、息子が重度の知的障害・自閉症という特徴を持っており、その子育てで悩んだ経験から立ち上げた、障がい団体RAINBOW MILLの代表も務めています。

起業を考えてから、どんな準備をしましたか?

以前は、介護施設で働いていて、その時にダイエットに成功しました。介護福祉士になるか、ダイエットの経験を活かしてトレーナーになるかを考えた時、やっぱりトレーナーをやりたいと思いました。
退職して起業するまでの半年間、モニターさんを探したり、活動する場所探しを始めました。活動の中で出会った女性専用のコワーキングスペースで、レッスンを始めることになりました。人見知りなので、それを克服したい気持ちもあり、交流会など人とつながれるところに行く機会をどんどん増やしました。

起業するにあたり、困ったことはありませんでしたか?

生徒さんファーストで考えているので、家族の優先順位は正直下がります。
職業上、太れないので、外食はほとんどしません。健康を売る仕事のため、日ごろから家族の健康にも気をつけています。息子がパンを食べないので、朝から、ごはん、卵焼き、魚、みそ汁などを作ります。息子に特性があり、自分の親にもあまり頼れず、夫も土日に仕事があるので、どうしてもの時は、夫の会社に息子を連れていくこともあります。
子どもがいるから仕方ないという気持ちは、自分では表に出さないと決めてやっています。

起業してよかったことは何ですか?

起業してすぐの時は、売上のことしか頭になかったです。最初は1レッスンで、「売上1万円、やったー!」と売上の数字だけを見て喜んでいました。でも実際は、ガソリン代や勉強代にお金がかかります。1番かかったのは勉強代です。資格をとって終わりではなく、講師として常に情報をアップデートしていく必要があるので、学び続けています。しんどいこともあるけれど、つながりを求めて動くと、新しい自分の可能性を見つけられるのが楽しいです。これまではプライベートでは外出せずに1人の時間を大切にするタイプで、人に会うことは少なかったのですが、起業して変わりました。
それから、はじめは障がいをマイナスと思っていましたが、今はとても感謝しています。子どもが大きくなった時にお金がかかるので、「オレのために働けよ」「かあちゃん、がんばれよ」って言っているのだろうなと思いながら、子どもたちのためにがんばれる自分になれたことを、ポジティブに感じています。
会社員時代は、ある程度年数を重ねて仕事ができるようになると、自分は何でもできるような気になってしまって、人を育てることもせず、自分で何でもしていましたが、起業してからは何もできない自分に気がついたことはよかったです。

10年後、目標や夢はありますか?

障がい団体を法人化するという夢があります。
シンボルカラーであるピンクの人として、テレビのコメンテーターをやってみたいです。子どものニュースについて、障がい児の親の目線でのコメントができたら良いですね。
それともうひとつ。障がい者スポーツ指導員という資格があるのですが、40歳(現在33歳)までに取って、皆さんに運動やスポーツを楽しんでもらえるようになったらいいな、とも思っています。

仕事をする上で、気を付けていることはありますか?

「お客様に強要しない。できないことをさせない。」ことです。経験的に自分自身が産後太っていて、そこから痩せたので、ムキムキのトレーナーさんよりはお母さんに寄り添えると思います。会話の中で、子育ての話などができたりする自分の引き出しは多いですね。

起業する方へメッセージをお願いします。

ドラマ「古畑任三郎」の名シーンで、犯人に対して言うセリフの中に「人生はいくらでもやり直せます。明日死ぬとしてもやり直しちゃいけないと誰が決めたんですか?」という言葉があって、それを心に刻んでいます。言い訳を一旦捨てて進んだほうが、見える景色がありますよ。

(2023.11.1)
(令和5年度北九州市起業オープニングセミナーゲスト)